祖母の認知症
今週月曜は敬老の日。
そして『世界アルツハイマーデー』でもあったんです。
認知症啓発のため、各地でイベントが行われました。
そこでちょっと遅まきながら、こんなお悩みを取り上げたいと思います。
いつも通り少しデフォルメしてあります。
23歳未婚。共働きの両親、高2の妹の四人家族。二世帯住宅の一階には、父方祖母が住んでいる。
去年から80歳の祖母が忘れっぽくなった。家族みんな「もう齢だし」と思っていたが、今年に入り、急にできないことが増えた。鍋を火にかけっ放しにして火事になりかけたのを機に、母が付き添ってかかりつけ医に相談。すると認知症初期と診断され、薬を処方された。でも飲んでも治らないとも言われた。
祖母はどうなるのだろう?自分たち家族は?特に母は「仕事を辞めざるをえないかも」と悩んでいる。
自分も働き始めたばかりで余裕がないが、深刻な顔の両親を見ているのはつらい。本当は変わりゆく祖母の姿を見ているのも悲しいが、言い出しにくい。妹は重苦しい雰囲気を嫌がり、居間に寄り付かなくなった。家が崩壊しそうで怖い。
これからどんどん増えてくるお悩みですよね。
誰もが健康で自立したまま年をとりたいと願うけど、
現実にはそういかないことも多い。
さて、家族が認知症になったら、大事なのは以下のことです。
●認知症の正しい知識を身に着ける
●適切な支援サービスを利用する
●認知症の人への関わり方を工夫する
●介護する人もうまく息抜きする
正しい知識については、今はネットでも簡単に調べることができます。
そのとき大事なのは診断名。
アルツハイマー、レビー、血管性、前頭側頭型、などなど。
いろんな種類があり、初期症状や進行の仕方が変わってきます。
実は水頭症のように、要因となっている身体疾患を治療することで治る場合もあるんですね。
認知症専門の医師もいるので、気になることがあったら、
かかりつけ医の先生から紹介してもらってもいいかもしれません。
見通しが持てると、心が落ち着いてきますよ。
それから適切な介護保険サービスを受けるためには、
まず地域包括支援センターもしくは役所の担当窓口に行き、
要介護認定を受けましょう。
訪問介護(自宅)、通所介護(デイサービスなど)、入所介護(特別養護老人ホームなど)と色々なサービスがあります。
何が良いかわからなければ、支援センターの方などにも聞いてみましょう。
認知症の人への関わり方は、基本は”穏やかに、ゆっくり”です。
家族だけでなく、認知症の本人もできないことが増えて不安になり、自信を失っています。
孤独感も重なって、周囲に攻撃的になったり、疑り深くなってしまう人もいます。
そこで本人に安心してもらえるような工夫が必要になってくるわけです。
ただ実際には、家族もいつもニコニコゆったりなんて無理ですよね。
人間ですもの、当たり前。
なので、介護者の方々もきちんと息抜きすることがマストです。
介護を外部の人に任せて後ろめたい、祖母は家に居たいのにサービスに行かせて申し訳ない、自分だけ楽しむなんて、とか思う必要はありません。
リフレッシュできる方法を見つけて、積極的に取り入れましょう。
介護は長丁場です。
家族が自分自身を大事にすることが、認知症の方へのより良いケアにも繋がるんです。
それから興味があれば、地域ごとに認知症の家族会があったりします。
参加して仲間ができると、少し気分が違いますよ。
診断を受けた直後は、どのご家庭もショックと不安でいっぱいになります。
ただ時間が経つにつれ、その家族ごとの形で受け入れが進んでいく印象です。
数か月後には家族の心持ちも変わってるんじゃないかしら。
もし状況が変わらない、あるいは悪化したら、
上述の地域包括支援センターや、認知症に詳しい医療機関に相談してみましょう。
困ったら、自分の家庭だけで抱えようとしないことが大事です!